自筆証書遺言があった場合は遺言書の検認手続き
被相続人が自筆証書遺言書を残していた場合は、家庭裁判所における検認手続きが必要です。ただし、自筆証書遺言であっても、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用した場合は検認は不要となります。
『検認』とは、相続人に対して遺言の存在とその内容を知らせ、同時に検認の日現在における遺言書の内容を明確にしてその後の偽造・変造を防止するための手続です。
相続人全員の立会いのもと、家庭裁判所で確認作業を行います。自筆証書遺言書の保管者・発見者は、家庭裁判所に検認を請求しなければなりません。封がされている遺言書は検認まで開封してはいけません。なお、誤って開封してしまっても遺言書が無効となるものではありません。誤って遺言書の検認の前に開封してしまった場合には、家庭裁判所での検認手続きで開封してしまったことを報告しましょう。
遺言書の検認は、家庭裁判所が指定した期日に相続人全員(任意の欠席は可能)が出席して実施します。検認が終わると家庭裁判所から検認済証明書が発行されます。今後の手続きには、遺言書の原本と検認済証明書を併せて使用します。検認済証明書がない自筆証書遺言書は、相続手続きには利用できません。
なお、検認は遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。遺言書の存在・外形・検認日における内容を証明する手段です。遺言の有効・無効について疑義がある場合は、裁判手続き等で争うこととなります。